3日の米国株式市場は大幅に反発し、ダウ工業株30種平均は前週末に比べ143ドル22セント高の1万1151ドル83セントで取引を終えた。米経済指標の改善や、欧州圏の財政問題に対する過度の警戒感が後退したことが買いを誘った。前週末に急落した金融大手ゴールドマン・サックスが反発し、金融株に買い安心感が広がったことも相場を押し上げた。ダウは前週末の下落分の9割を回復した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数も大幅に反発し、37.55ポイント高の2498.74で終えた。4月3日に米国で発売した多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」の販売台数が100万台を突破したと発表したアップルが買われたことなどが指数を支えた。
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した4月の製造業景況感指数が2カ月連続で前月を上回り、市場予想以上に改善。3月の米個人消費支出(PCE)も堅調で、一般産業や消費関連株が買われ、相場を押し上げた。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が1日、米証券取引委員会(SEC)が証券詐欺の疑いで提訴したゴールドマンについて「非難される事実は何もない」と発言。ゴールドマンなど金融株の買い戻しを誘ったことも支援材料。財政危機に直面するギリシャへの国際通貨基金(IMF)との共同支援について、ユーロ圏各国が合意した。投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方も相場の支援材料だった。
業種別S&P500種株価指数は全10業種中、「素材」を除く9業種が上昇した。「一般産業」と「消費循環」が2%超上げ、「金融」も高かった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約22億7000万株(同)だった。
米航空大手コンチネンタル航空とユナイテッド航空の持ち株会社UALが合併すると正式発表し、両社の株価が2%超上げた。アメリカン航空の持ち株会社AMRやデルタ航空など航空株が上昇した。4月の米新車販売がともに前年同月比で2割超増えたフォードとトヨタの米預託証券(ADR)も上昇した。
米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスによるダラー・スリフティ・オートモーティブ・グループの買収に、同業のエイビス・バジェット・グループが対抗する方針を明らかにし、ダラー・スリフティ株が15%の急伸。エイビスは小幅安、ハーツは6%近く下げた。
ゴールドマンが3%近く上昇したほか、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど米金融株が買われた。ダウ平均採用銘柄では建機大手キャタピラーが上昇率首位で、航空機大手ボーイングが続いた。
一方、非鉄大手アルコアが2%超下落し、ダウ採用銘柄で下落率首位だった。中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き上げると発表し、建築資材用のアルミ需要が減少するとの思惑を誘ったという。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11151.83 前日比:143.22
始値:11009.60 高値:11177.67 安値:11009.60
年初来高値:11258.01 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2498.74 前日比:37.55
始値:2472.32 高値:2503.00 安値:2472.32
年初来高値:2535.28 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1202.26 前日比:15.57
始値:1188.58 高値:1205.13 安値:1188.58
年初来高値:1219.80 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.521% 米10年国債 3.683%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 11115
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 11100
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