12日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反落。前日比11ドル72セント安の1万1421ドル99セントで終えた。経済指標の下振れや金融システム不安から売りが出た。ただ、売り一巡後は米リーマン・ブラザーズの身売りに絡む思惑などから買い戻しが入り、下げ渋った。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同3.05ポイント高の2261.27で終えた。
早朝発表された8月の小売売上高は前月比0.3%減と市場予想(0.2%増)に反して減少。前月分も下方修正され、個人消費の先行き懸念が一段と広がった。金融不安からリーマンやアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が売り優勢で始まったことも株価の重しになった。ダウ平均の下げ幅は一時150ドルを超えた。
ただ、売り一巡後は下げ渋った。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が投資ファンドなどと共同でリーマン買収を検討していると英紙が報道。JPモルガン・チェースがワシントン・ミューチュアル(WM)の買収交渉を進めているとの報道も伝わった。こうした材料を受け、金融株の一角などに買い戻しが入る場面がみられた。
原油先物相場が一時、節目の1バレル100ドルを割り込んだことも消費関連株などへの買いを誘い、株価の底堅さを演出した。ダウ平均は小幅高に転じる場面もあった。市場では「リーマンの身売り交渉は週末にヤマ場を迎えそうなため、その結果を見極めたいとして、投資家は一方向に持ち高を傾けづらかった」との声が聞かれた。
S&P500種株価指数は2.65ポイント高の1251.70で終えた。業種別S&P500種株価指数(全十業種)は「金融」「一般産業」など六業種が下落。半面、「素材」など四業種が上げた。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は小幅安。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約13億1000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億株(同)だった。
リーマンは13%安。AIGは業績・財務悪化や格下げ懸念の思惑から30%急落し、ダウ平均の重しになった。メリルリンチは12%安。JPモルガンによる買収観測でWMは上昇に転じる場面もあったが、買収交渉否定の報道も伝わり、結局下げて終えた。
半面、米政府による低利融資枠拡大の思惑などを手掛かりにゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターが上昇。アナリストが投資判断を「買い」で据え置いたシスコシステムズが高い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11421.99 前日比:-11.72
始値:11429.32 高値:11459.93 安値:11280.40
年初来高値:13279.54 年初来安値:10827.71
ナスダック総合指数
終値:2261.27 前日比:3.05
始値:2241.40 高値:2268.83 安値:2228.00
年初来高値:2661.50 年初来安値:2155.42
S&P総合500種指数
終値:1251.70 前日比:2.65
始値:1245.88 高値:1255.09 安値:1233.81
年初来高値:1471.77 年初来安値:1200.44
米30年国債 4.315% 米10年国債 3.719%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(12日)
DEC08
O 12305(Globex 合算)
H 12350
L 12125
C 12315 大証比+145(イブニング比+55)
Vol 14207
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