17日の米国株式相場は急反落。ダウ工業株30種平均は前日比449ドル36セント安の1万609ドル66セントと2005年11月9日以来の安値で終えた。米政府と米連邦準備理事会(FRB)が保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済を発表したが、金融システムへの強い懸念は後退せず金融株を中心に売りが膨らんだ。
ナスダック総合株価指数は同109.05ポイント安の2098.85と06年8月14日以来の安値で終えた。
前日夜にFRBは経営不安の強まっていたAIGに対して、最大850億ドルを融資すると発表した。政府が株式を大量に取得する権利を持つことで既存の株主価値が希薄化するとして、AIG株が急落。救済は足元で急速に強まった金融システムへの懸念を和らげる狙いだったが不安は後退せず、証券大手のモルガン・スタンレーや銀行大手のJPモルガン・チェースなど金融株を中心に売りが出た。
景気減速などを受けた顧客の設備投資削減の動きが重しになっているとして、厳しい業績見通しを示したカナダの通信機器大手のノーテル・ネットワークスが急落。シスコシステムズなどほかのハイテク株にも売りが広がった。
8月の住宅着工件数が約17年半ぶりの水準まで減少した。景気減速の根底にある住宅市場の低迷に底入れ感がないと受け止められたことも市場心理を悪化させた。幅広い銘柄が売られ、主な株価指数はこの日の安値圏で終えた。
業種別S&P500種株価指数では全十種が下落。「金融」9%下落したほか、「公益」「消費循環」の下げが目立った。ダウ平均構成銘柄は全30銘柄が下落した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約21億4000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約31億4000万株だった。
AIGは45%下落。JPモルガンは12%安、モルガン・スタンレーは24%下げた。経営破綻したリーマン・ブラザーズの北米の投資銀行業務を買収すると発表した英銀大手のバークレイズは朝高後、2%安で終えた。住宅建設のKBホームは7.6%下げた。IBMやヒューレット・パッカード(HP)も安い。
半面、前日に急落したデルは上昇。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10609.66 前日比:-449.36
始値:11056.58 高値:11057.31 安値:10595.90
年初来高値:13279.54 年初来安値:10595.90
ナスダック総合指数
終値:2098.85 前日比:-109.05
始値:2173.82 高値:2183.25 安値:2098.85
年初来高値:2661.50 年初来安値:2098.85
S&P総合500種指数
終値:1156.39 前日比:-57.20
始値:1210.34 高値:1210.34 安値:1155.88
年初来高値:1471.77 年初来安値:1155.88
米30年国債 4.074% 米10年国債 3.414%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(17日)
DEC08
O 11655(Globex 合算)
H 11775
L 11230
C 11325 大証比-405(イブニング比-305)
Vol 27905
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