16日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。前日比141ドル51セント高の1万1059ドル2セントで終えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、27.99ポイント高の2207.90で終えた。米連邦準備理事会(FRB)の政策金利据え置き決定などを受けて売りに押される場面もあったが、経営不安が意識されているアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済を巡る期待感が広がると、買い戻しが優勢になった。
FRBは午後2時15分過ぎ、米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の据え置きを決めたと発表。米リーマン・ブラザーズが経営破綻するなど最近、急速に金融不安が高まっていたことから一部の市場参加者の間では利下げ観測が広がっていたという。FRBの政策決定への失望感が広がり、FOMC決定前には小幅高で推移していたダウ平均は100ドル超下げる場面があった。
ただ、米通信社が午後にFRBがAIGへの支援策を検討しているなどと報道したと伝わると、AIG救済への期待感から金融株を中心に買い戻しの動きが広がった。ダウ平均は前日に7年ぶりの下げ幅を記録しており、自律反発狙いの買いも入りやすかった。原油先物相場が大幅続落したことも株価の支援材料になったとの声もあった。
S&P500種株価指数は20.89ポイント高の1213.59で終えた。業種別S&P500種株価指数(全十業種)は「金融」の6%高を筆頭に八業種が上昇。半面、「通信サービス」など二業種が下げた。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は1.5%高。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約21億6000万株(速報値)、ナスダック市場は約32億2000万株(同)だった。
バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースはともに10%以上の上昇。原油安を受けてコンチネンタル航空やデルタ航空など航空株が軒並み大幅高。
半面、AIGは下げ渋る場面もあったが、21%安で終えた。朝方の決算で一株利益は予想以上だったが大幅減収減益となったゴールドマン・サックスは下落。早朝に情報技術(IT)投資の世界的な需要低迷を指摘したデルが11%下落。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11059.02 前日比:141.51
始値:10905.62 高値:11093.22 安値:10742.70
年初来高値:13279.54 年初来安値:10742.70
ナスダック総合指数
終値:2207.90 前日比:27.99
始値:2142.79 高値:2214.29 安値:2142.79
年初来高値:2661.50 年初来安値:2142.79
S&P総合500種指数
終値:1213.60 前日比:20.90
始値:1188.31 高値:1214.84 安値:1169.28
年初来高値:1471.77 年初来安値:1169.28
米30年国債 4.091% 米10年国債 3.436%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(16日)
DEC08
O 11730(Globex 合算)
H 11770
L 11320
C 11760 大証比+180(イブニング比+130)
Vol 30281
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