10日の米国株式相場は反発。ダウ工業株30種平均は前日比38ドル19セント高の1万1268ドル92セントで終えた。ナスダック総合株価指数は同 18.89ポイント高の2228.70で終えた。前日に相場が急落した反動で、エネルギー株などが買い戻された。証券大手リーマン・ブラザーズが決算見通しや再建策を発表したが、金融不安は晴れず金融株の軟調さは続いた。
　前日夕に国際貨物大手のフェデックスが利益見通しを引き上げた。足元で業績の下振れ懸念が強まっていた半導体大手のテキサス・インスツルメンツ（ＴＩ）は収益見通しを引き下げなかった。米景気や企業業績への過度の懸念が後退し、ハイテクなど景気敏感株の一角に買いが入った。前日に下げが目立ったエネルギー株も買い戻された。

　資本調達の先行き不透明感などから前日に急落したリーマンが早朝に決算見通しと再建策を発表。損失見通しは市場予想より悪化し、再建策は一部事業の売却計画などを含む内容で、業績立て直しが難しい状況は続くとして買いは続かなかった。
　格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）が米貯蓄金融機関（Ｓ＆Ｌ）大手のワシントン・ミューチュアル（ＷＭ）の格付け見通しの引き下げを発表。金融機関の財務・業績への不安が改めて意識され、金融株全般が軟調となった。
　業種別Ｓ＆Ｐ500種株価指数は全十種のうち、「通信サービス」と「金融」を除く八種が上げた。「エネルギー」が3.6％上げた。ダウ運輸株平均は3％上昇した。
　ニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）の売買高は約15億5000万株（速報値）、ナスダック市場（同）は約23億株だった。
　ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が6％上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率首位。エクソンモービルやシェブロンも上げた。新製品の発売を発表したリサーチ・イン・モーション（ＲＩＭ）が5％高。ＩＢＭも高い。
　一方、リーマンは7％下落。ＷＭは30％の急落。メリルリンチやシティグループ、地銀のザイオンズ・バンコーポレーションなど金融株が総じて安い。

ダウ工業株30種（ドル）
終値：11268.92 前日比：38.19
始値：11233.91 高値：11380.63 安値：11215.26
年初来高値：13279.54 年初来安値：10827.71

ナスダック総合指数
終値：2228.70 前日比：18.89
始値：2235.82 高値：2247.63 安値：2209.59
年初来高値：2661.50 年初来安値：2155.42

Ｓ＆Ｐ総合500種指数
終値：1232.04 前日比：7.53
始値：1227.50 高値：1243.90 安値：1221.60
年初来高値：1471.77 年初来安値：1200.44

米30年国債 4.226％ 米10年国債 3.63％

「シカゴ日経平均先物（ＣＭＥ）」（10日）
SEP08
Ｏ 12300（Globex　合算）
Ｈ 12380
Ｌ 12175
Ｃ 12270 大証比-60（イブニング比-70）
Vol 44944