10日の米国株式相場は大幅に続落。ダウ工業株30種平均は前日比381ドル99セント安の7888ドル88セントと、昨年11月20日以来約2カ月半ぶりの低水準で終了した。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は66.83ポイント安の1524.73で終えた。ガイトナー財務長官が新たな金融安定化策について発表したが、内容に不透明な部分が多いと受け止められたことから、金融株を中心に売りが膨らんだ。ダウ平均の下げ幅は昨年12月1日以来の大きさ。
ガイトナー長官が発表した金融安定化策は、官民投資ファンドを新設し最大1兆ドルの不良資産を買い取ることや、米連邦準備理事会(FRB)による信用収縮緩和策の拡大などが柱。ただ不良資産の買い取り価格の決定方法など具体的な仕組みが示されなかったことから、失望感が広がった。政策への期待感から前週末にかけて相場が上げていたため、金融株を中心に利益確定の売りが広がった。
バーナンキFRB議長が議会証言を行ったが、内容は新味に乏しいと受け止められ、売りを誘った。ダウの下げ幅は一時420ドルを超えた。米上院はこの日の本会議で、総額8000億ドル規模の景気対策法案を可決した。同法案を巡り、これから両院の協議会で一本化作業が始まることもあり、相場の取引材料にはならなかった。
S&P500種株価指数は 42.73ポイント安の827.16で終了した。業種別S&P500種株価指数は全十業種が下落し、「金融」の下げが約11%と最も大きかった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約17億5700万株(速報値)、ナスダック市場は約24億7000万株(同)。
ダウ平均は30の構成銘柄が全面安。銀行大手バンク・オブ・アメリカが19%安、シティグループが15%安と下落率上位を占めた。地銀も軒並み大幅に下落し、リージョンズ・ファイナンシャルが30%超安。格付け会社が格下げを発表した非鉄大手のアルコアが10%安。1万人の人員削減を発表した自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)も安い。製造設備に70億ドルを投じると発表した半導体大手インテルも約6%下げた。
一方、2008年12月期通期決算で大幅な最終赤字を計上したスイスの金融大手UBSが1%超上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:7888.88 前日比:-381.99
始値:8269.36 高値:8269.44 安値:7848.74
年初来高値:9088.06 年初来安値:7845.31
ナスダック総合指数
終値:1524.73 前日比:-66.83
始値:1578.02 高値:1598.50 安値:1520.56
年初来高値:1665.56 年初来安値:1434.21
S&P総合500種指数
終値:827.16 前日比:-42.73
始値:866.87 高値:868.05 安値:822.99
年初来高値:943.85 年初来安値:804.30
米30年国債 3.495% 米10年国債 2.821%
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