14日の米国株式相場は急反落。ダウ工業株30種平均は前日比337ドル94セント安の8497ドル31セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は79.85ポイント安の1516.85で終えた。米景気や企業業績の先行き懸念を改めて強める材料が相次ぎ売りが優勢になった。ダウ平均は値ごろ感からの買い戻しで上昇に転じる場面もあるなど、値動きの荒い展開だった。
朝方発表された10月の米小売売上高は前月比2.8%減と市場予想(2.4%減)以上に悪い内容だったほか、過去分が下方修正された。個別企業では前日夕から14日の早朝にかけて百貨店のJCペニーやノードストロームなど小売企業が相次いで市場予想を大幅に下回る業績見通しを公表。フィンランドのノキアは10月に公表していた2008年の携帯電話機業界の販売台数見通しを下方修正した。個人消費は想定以上に悪化しているとの懸念が売りにつながった。
売り一巡後は買い戻しが優勢になる場面もあった。前日のダウ平均は一時8000ドルを割り込んだ後、急反発した。10月以降、数回にわたって同水準近辺で反発しており、一段の下値不安は後退したとみる市場参加者が多い。そのため、下値では押し目買いや買い戻しが入りやすくなっているとの指摘があった。
ただ、景気懸念から上値では戻り待ちの売りが出たほか、週末とあって手じまい売りを出す投資家も多く、取引終了にかけては再び売りが加速する展開となった。ダウ平均はこの日の安値圏で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全十業種が下げた。「素材」「金融」「情報技術」の下げがきつかった。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は6%超下げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約14億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約22億8000万株(同)。
JCペニーは10%安、ノードストロームは9%下げた。ノキアの米預託証券(ADR)は11%安。モトローラやアップルも軟調。インテルなど半導体株も軒並み下げた。前日に急反発したJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株の一角が安い。大幅赤字決算を発表した連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は8%安。
半面、金融安定化法に基づく公的資金の注入申請を午後発表したハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループが21%急伸。大規模な追加の人員削減計画が伝わったシティグループは小幅高。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8497.31 前日比:-337.94
始値:8822.19 高値:8923.18 安値:8469.99
年初来高値:13279.54 年初来安値:7882.51
ナスダック総合指数
終値:1516.85 前日比:-79.85
始値:1558.09 高値:1587.76 安値:1513.09
年初来高値:2661.50 年初来安値:1428.54
S&P総合500種指数
終値:873.29 前日比:-38.00
始値:904.36 高値:916.88 安値:869.88
年初来高値:1471.77 年初来安値:818.69
米30年国債 4.228% 米10年国債 3.735%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(14日)
DEC08
O 8860(Globex 合算)
H 8895
L 8375
C 8450 大証比-30(イブニング比-140)
Vol 15644
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