7日の米国株式相場は連日で急落。ダウ工業株30種平均は前日比508ドル39セント安の9447ドル11セントと、2003年9月以来、約5年ぶりの安値となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同108.08ポイント安の1754.88と、2004年8月以来の安値で終えた。世界的な金融不安の高まりに加え、バンク・オブ・アメリカの増資などを嫌気し、金融株に売りが出た。
S&P500種株価指数は60.66ポイント安の 996.23と、2003年9月末以来の1000割れとなった。朝方、米連邦準備理事会(FRB)が企業の短期資金の調達手段であるコマーシャルペーパー(CP)を購入する制度を創設すると発表。信用収縮改善の足がかりになるとの期待感から買いが先行した。
ただ前日夕に増資や減配、減益決算を発表したバンカメに売りが膨らみ、金融株全般がつれ安。三菱UFJファイナンシャル・グループがモルガン・スタンレーへの出資を引き揚げるとのうわさなどを受け、モルガンが急落したことも重しだった。英銀大手が資金支援などを要請するため、英政府と会談したと報じられたことも米金融株売りを誘った。
午後にバーナンキFRB議長が景気見通しや金融市場について講演。「現行の政策スタンスが適切か考えなくてはならないだろう」と早期利下げを示唆する発言をした。ただ利下げは織り込まれているとの見方などからこれを材料とした買いは限定的だった。むしろ議長が景気に慎重な見方を示したことで景気悪化への懸念が高まったとの見方もあり、売りはハイテクや素材など景気敏感株に波及。引けにかけて主な株価指数は下げ幅を広げて終えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約17億2000万株(速報)。ナスダック市場は約28億9000万株(同)。業種別S&P500種株価指数では全十業種が下落。「金融」が約12%安、「情報技術(IT)」も6%下げた。
バンカメが約26%安、モルガンは約25%下げた。アナリストが投資判断を引き下げたIBM、業績見通しを引き下げたマイクロソフトが安い。一方、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ政府系投資会社と半導体製造部門の新会社を設立すると発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は大幅高で終えた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9447.11 前日比:-508.39
始値:9955.42 高値:10124.03 安値:9436.67
年初来高値:13279.54 年初来安値:9436.67
ナスダック総合指数
終値:1754.88 前日比:-108.08
始値:1879.36 高値:1886.35 安値:1754.88
年初来高値:2661.50 年初来安値:1754.88
S&P総合500種指数
終値:996.23 前日比:-60.66
始値:1057.60 高値:1072.91 安値:996.23
年初来高値:1471.77 年初来安値:996.23
米30年国債 4.03% 米10年国債 3.503%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(7日)
DEC08
O 10115(Globex 合算)
H 10295
L 9735
C 9820 大証比-390(イブニング比-170)
Vol 23682
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