12日の米国株式相場は3日ぶりに大幅反落。ダウ工業株30種平均は前日比139ドル88セント安の1万1642ドル47セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は9.34ポイント安の2430.61で終えた。金融株を中心に悪材料が相次ぎ、売りが優勢になった。
JPモルガン・チェースが米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で住宅ローン市場の混乱などを受けて第三四半期に入って約15億ドルの評価損が発生していることを明らかにした。ゴールドマン・サックスは複数の証券アナリストが業績見通しを引き下げたと伝わった。金融機関の業績悪化懸念が広がった。
欧州などの景気減速が重しになるとしてアナリストがマクドナルドの投資判断を引き下げたほか、コカ・コーラの利益見通しを引き下げた。景気不安が業績の重しになるとの警戒感も広がった。ダウ平均は前日までの続伸で3%強上げていた反動で利益確定売りも出やすかった。ダウ平均は一時下げ幅が180ドルに達した。
午前中は下げ渋る場面もあった。早朝発表の6月の米貿易赤字が前月比で4%縮小した。市場予想も下回ったことで、4―6月期の実質国内総生産(GDP)の上方修正の思惑が出た。原油先物相場の調整が続いたことも消費関連などの支援材料となり、株式相場を一時支えた。
S&P500種株価指数は15.73ポイント安の1289.59で終えた。業種別S&P500種株価指数(全十業種)は「金融」「公益」など八業種が下げた。半面「素材」など二業種が上昇。フィラデルフィア証券取引所の半導体株指数(SOX)は小幅ながら上昇して終えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約21億株(同)だった。
JPモルガンは9%超の急落。ゴールドマンは6%安。4―6月期決算が4四半期連続の赤字になったUBSも安い。マクドナルドは3%、コカ・コーラは1%下げた。
半面、ゼネラル・モーターズ(GM)が3%高。原油相場の下落に加え、ワゴナー最高経営責任者(CEO)が人員削減などに関連して「最悪期は過ぎたかもしれない」と述べたと伝わった。アナリストの投資判断引き上げが伝わったアメリカン航空の持ち株会社AMRやコンチネンタル航空が小幅高。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11642.47 前日比:-139.88
始値:11781.70 高値:11782.35 安値:11601.52
PR