30日の米国株式市場はほぼ横ばい。ダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前日比1ドル22セント(0.0%)安の1万0465ドル94セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに小反発し同3.01ポイント(0.1%)高の2254.70だった。4~6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値の伸び鈍化が売りを誘った一方、7月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想外に改善し、相場を支えた。
ダウ平均は月間では3カ月ぶりに上昇し、上昇幅は691ドル(7.1%)と昨年7月以来1年ぶりの大きさだった。
朝方発表の実質GDPの伸び率が前期比年率で2.4%と、市場予想(2.5%)をやや下回ったため、売りが先行した。1~3月期の3.7%からも縮小し、米景気回復ペースが大幅に鈍ったことが確認された。素材など景気敏感株を中心に売られ、ダウ平均は120ドル近く下げる場面があった。
半面、午前中ごろ発表されたシカゴPMIが市場予想に反して上昇すると、過度の景気懸念が和らいだとして買い戻しが入った。7月の消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ)が速報値から上方修正されたことも支援材料となり、主な株価指数は上げに転じた。
ただ米景気に対する不透明感は依然根強く、上値は重かった。来週に重要な経済指標の発表が多いうえ、週末で持ち高を傾けたくない市場参加者が多いとの声があった。相場は午後にかけて方向感を探る展開となり、前日終値近辺でもみ合って終えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億7000万株(速報)、ナスダック市場は約20億8000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)では「公益」など5業種が下げ、「消費循環」など5業種が上げた。
朝方発表した決算で売上高が市場予想を下回った製薬のメルクが安い。前日夕に中国本土向けのインターネット検索サービスが停止していると公表したものの、その後、軽微な障害だったと訂正したインターネット検索大手グーグルは小安く終えた。
半面、朝方発表した決算が大幅な増収増益だった石油大手シェブロンが小幅高。前日夕発表した決算が市場予想を上回った半導体製造装置のKLAテンコールも高い。1株利益が市場予想を上回ったバイオ製薬のアムジェンも上げた。決算と併せて楽観的な業績見通しを示した通信機器大手アルカテル・ルーセントは急伸した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10465.94 前日比:‐1.22
始値:10465.19 高値:10507.19 安値:10347.50
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2254.70 前日比:3.01
始値:2227.29 高値:2264.81 安値:2218.61
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1101.60 前日比:0.07
始値:1098.44 高値:1106.44 安値:1088.01
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.988% 米10年国債:2.905%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9550 (+20) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9535 (+5) 大証終値比
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