12日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は3日続伸した。終値は前日比10ドル06セント(0.1%)高の1万1020ドル40セントと、5月3日以来約5カ月ぶりの高値だった。米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月21日開催分)を受け、追加金融緩和に前向きな米当局の姿勢を確認したとして、買いの勢いが増した。
ダウ平均は午後中ごろまで小安く推移したが、FOMC議事要旨が発表されると上げに転じた。多くの委員が、低成長が続いた場合などには追加金融緩和の実施が適切との認識を示していたことが明らかになり、11月上旬の次回FOMCでFRBが追加緩和策を決めるとの期待が一段と高まった。金融株やIT(情報技術)株を中心に買いが優勢になった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。終値は同15.59ポイント(0.6%)高の2417.92と、5月12日以来約5カ月ぶりの高値を付けた。機関投資家が運用指標として重視するS&P500種株価指数は3日続伸。水準は5月12日以来、約5カ月ぶりの高値となった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「金融」や「IT」など6業種が上げ、「公益」など4業種が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億2000万株(速報値)、ナスダック市場は約19億1000万株(同)だった。
丸紅などと共同で米東部向けの送電網事業に参画すると発表したインターネット検索大手のグーグルが上げ、製薬大手ファイザーが買収を発表した同業のキング・ファーマシューティカルズが急伸。ファイザーも上げた。ダウ平均構成銘柄では銀行のバンク・オブ・アメリカや非鉄大手のアルコアの値上がりが目立った。
一方、証券会社が投資判断を引き下げた通信のベライゾン・コミュニケーションズが下落。中国の金融引き締めを受けて建機大手のキャタピラーが下げ、小売り大手ウォルマート・ストアーズの値下がりも目立った。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:11020.40 前日比:10.06
始値:11010.79 高値:11053.21 安値:10913.84
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2417.92 前日比:15.59
始値:2397.70 高値:2421.79 安値:2379.39
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1169.77 前日比:4.45
始値:1164.28 高値:1172.58 安値:1155.71
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.819% 米10年国債:2.433%
シカゴ日経平均先物12月限(ドル建て)終値 9475 (+75) 大証終値比
シカゴ日経平均先物12月限(円建て) 終値 9440 (+40) 大証終値比
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