3連休明け7日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前週末比107ドル24セント(1.0%)安の1万0340ドル69セントで終えた。前週末まで4日続伸し、この間の上昇率が4%を上回っていたことから、利益確定目的の売りが優勢になった。欧州金融機関の財務に対する不安が改めて意識され、金融株が売られたことも相場の重荷になった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は4営業日ぶりに反落し、同24.86ポイント(1.1%)安の2208.89で終えた。
7日は主要な米経済指標の発表がなく、朝方から前週末までの続伸を受けた利益確定目的の売りが優勢だった。「市場参加者は休みから完全に戻っていない」との指摘もあった。参加者が少ないため、少額の取引で相場の振れ幅が大きくなりやすかったという。
7日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、欧州銀行監督委員会(CEBS)が欧州連合域内の91銀行を対象に7月に実施した健全性審査(ストレステスト)で、一部銀行が国債保有額を完全には開示せず過少申告していたとの独自の分析結果を報じた。欧州で銀行株が売られ、つれて米国市場でも金融株が下げた。
S&P500種業種別株価指数は全10業種が下落した。「金融」が2%以上下げたほか「消費循環」、「エネルギー」、「一般産業」といった景気動向に株価が左右されやすいとされる業種の下げが目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億3000万株(速報値)、ナスダック市場は約16億3000万株(同)だった。
欧州銀行の株式や米預託証券(ADR)は総じて下落した。英バークレイズは6%近く下げた。同行は同日、ボブ・ダイヤモンド社長が新たに最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。ギリシャ・ナショナル銀行は14%の急落。米銀大手JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカも2%以上下げた。
証券会社が投資判断や目標株価を引き下げた半導体製造装置株も売られた。KLAテンコールが5%以上下げたほか、ノベラス・システムズが3%あまりの下落。アプライドマテリアルズ(AMAT)も売られた。マーク・ハード前CEOを提訴したと米メディアが伝えたパソコン大手ヒューレット・パッカードにも売りが優勢だった。
一方、ハード氏が社長に就任したと6日に発表したソフトウエア大手オラクルが6%近い上昇。ダウ平均構成銘柄では、過去1年(52週)高値を連日で更新したマクドナルドが買われ、上昇率首位となった。ゼネラル・エレクトリック(GE)やコカ・コーラも上昇した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10340.69 前日比:‐107.24
始値:10446.80 高値:10446.80 安値:10332.40
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2208.89 前日比:‐24.86
始値:2227.26 高値:2231.28 安値:2206.62
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1091.84 前日比:‐12.67
始値:1102.60 高値:1102.60 安値:1091.15
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.662% 米10年国債:2.598%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9100 (‐120) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9095 (‐125) 大証終値比
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