8日の米国株式市場は反発し、ダウ工業株30種平均は前日比46ドル32セント(0.4%)高の1万0387ドル01セント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同19.98ポイント(0.9%)高の2228.87で終えた。欧州の金融・財政問題への懸念がやや後退したことから投資家心理が改善し、金融株などを中心に買いが入った。
早朝にポルトガルの国債入札が無難な結果になったと伝わり、前日の市場で高まった一部欧州諸国の財政や銀行財務を巡る不安が和らいだ。欧州株の上昇とともに米株にも買いが先行。特に前日の下げが大きかった金融株などへの買い戻しが目立った。ダウ平均は一時約86ドル高となった。
ただ、この日は注目度の高い米経済指標の発表がなく、買い手掛かりに欠けたため、相場は伸び悩んで終えた。
午後に米連邦準備理事会(FRB)が発表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済の成長は続いているものの、減速の兆候が広がったとの総括判断を示した。株式市場では新味に欠ける内容との受け止め方が多かった。オバマ大統領が午後の演説で追加の景気刺激策を発表したが、規模が限定的との見方もあり、相場の反応はあまり大きくなかった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億8000万株(速報)、ナスダック市場は約19億4000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)は、「金融」「一般産業」など9業種が上昇した。
ゴールドマン・サックスのアナリストが投資判断を「買い」に引き上げた会員制卸売大手コストコ・ホールセールが上昇。UBSのアナリストが目標株価を引き上げたアップルも高い。4月の原油流出事故について内部調査報告書を公表した英石油大手BPの米預託証券(ADR)も上げた。
5~7月期決算で売上高が市場予想を上回ったネットワーク機器のシエナが大幅高。前日夕にバイオ製薬企業を買収すると発表したブリストル・マイヤーズスクイブも高い。
UBSのアナリストが投資判断や目標株価を引き下げた半導体大手インテルが下落。同じくアナリストが投資判断などを引き下げたパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)はダウ平均構成銘柄で下落率首位だった。5~7月期決算で売上高が市場予想に届かなかった婦人服専門店のタルボットも下落した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10387.01 前日比:46.32
始値:10338.49 高値:10426.70 安値:10335.69
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2228.87 前日比:19.98
始値:2216.07 高値:2237.42 安値:2215.90
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1098.87 前日比:7.03
始値:1092.36 高値:1103.26 安値:1092.36
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.727% 米10年国債:2.653%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9120 (+110) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9120 (+110) 大証終値比
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