9日の米国株式市場は小幅続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比28ドル23セント(0.3%)高の1万0415ドル24セントで終えた。雇用や国際収支関連の経済指標の改善を受けて米景気減速への過度な警戒感が後退し、金融株など幅広い銘柄に買いが入った。ただ、株式相場は9月に入って上昇基調が続いているため、上値では利益確定目的の売りが出て伸び悩んだ。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の終値は同7.33ポイント(0.3%)高の2236.20と8月10日以来約1カ月ぶりの高値だった。
労働省が朝方発表した週間の新規失業保険申請件数が市場予想以上に減ったほか、商務省が発表した7月の米貿易赤字も予想を超えて大幅に縮小した。貿易赤字縮小は国内総生産(GDP)伸び率の押し上げ要因になる。欧州株が総じて上昇したことも国内外の経済情勢への悲観論を和らげ、ダウ平均は朝方に一時90ドル近く上昇した。
ダウ平均構成銘柄では大手銀のJPモルガン・チェースが上昇率首位になったほか、バンク・オブ・アメリカも買われた。銀行株を巡っては、国際的な自己資本比率規制が一部の市場予想ほど厳しくならないとの観測が浮上したことなども買い材料になった。AT&Tなど通信株や、株価が他業種に比べて出遅れていたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)など医薬品株にも買いが広がった。
ダウ平均は午後に前日比横ばい前後まで水準を切り下げる場面があった。利益確定売りに加え、ドイツ銀行が増資を検討しているという通信社報道を受けて金融株が一時伸び悩んだことが背景。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「素材」を除く9業種が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億4000万株(速報値)、ナスダック市場は約16億6000万株(同)。ユダヤ教の祝日で薄商いだったとの指摘があった。
個別では金融大手のモルガン・スタンレーが4%の大幅高。金融商品販売に伴う情報開示に絡んで英金融サービス機構(FSA)が罰金を科したと発表したゴールドマン・サックスも上昇した。
文書処理ソフトのアドビ・システムズが急伸。アップルが自社の携帯端末向けアプリケーションソフトの開発・配信に関する規制を緩めると発表、アドビ製ソフトが今後採用されるとの思惑が広がった。前日夕に発表した四半期決算が市場予想以上だった紳士服小売りのメンズ・ウェアハウスも大幅高だった。
半面、8月の世界既存店売上高伸び率が前の月から縮小した外食のマクドナルドは、最近上昇が目立っていたこともあって反落。ドイツ銀は3%余り下げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10415.24 前日比:28.23
始値:10388.14 高値:10476.62 安値:10386.63
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2236.20 前日比:7.33
始値:2251.09 高値:2251.98 安値:2229.80
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1104.18 前日比:5.31
始値:1101.15 高値:1110.27 安値:1101.15
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.838% 米10年国債:2.757%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9150 (+60) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9155 (+65) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9140 (+110) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9095 (+65) 大証終値比
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