10日の米国株式市場は3日続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比47ドル53セント(0.5%)高の1万0462ドル77セントと、8月10日以来1カ月ぶりの高値で終えた。同日発表の7月の米卸売在庫が市場予想以上に増えたため、7~9月期の米経済成長率が予想より高くなるとの見方が出て買いが優勢になった。原油先物相場の上昇でエネルギー株が買われたことも相場を支えた。ダウ平均は2週連続の上昇で、週間の上げ幅は14ドルだった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は前日比6.28ポイント(0.3%)高の2242.48と、やはり1カ月ぶりの高値で終えた。
8月の中国の輸入の伸びが高水準だったため、世界経済のけん引役である中国の景気が堅調との見方が広がり、買いが入った面もあった。ただ前日夕に決算と併せて発表した売上高見通しが慎重と受け止められたアナログ半導体大手ナショナル・セミコンダクターが大幅安となったほか、アナリストが投資判断を引き下げたパソコン大手デルが下落したため、ハイテク株への売りがやや優勢になる場面があった。
オバマ米大統領が記者会見し、景気回復や雇用情勢の改善を促進する必要性を強調した。ただ減税など景気刺激策は既に発表済みとあって、株式相場の反応は限られた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち「公益」を除く9業種が上昇。「エネルギー」や「ヘルスケア」「消費循環」の上昇が目立った。売買高はニューヨーク証券取引所(NYSE)が7億6000万株(速報値)、ナスダック市場が16億5000万株(同)。
ダウ平均の構成銘柄では石油大手シェブロンのほか、医薬品大手メルクやIBM、化学大手スリーエムなどが高い。業績低迷が目立つ携帯電話大手ノキア(フィンランド)が最高経営責任者(CEO)の退任を発表し、株価が上昇した。
一方、前日夕に7~9月期に関して従来より範囲を狭めた業績予想を発表した通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツは小幅に下落した。サンフランシスコ郊外で大規模な爆発が発生し、近くを通るガス管に亀裂が見つかった。ガス管を管理するパシフィック・ガス・アンド・エレクトリックの株価が大幅に下落した。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10462.77 前日比:47.53
始値:10415.01 高値:10471.28 安値:10403.17
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2242.48 前日比:6.28
始値:2239.08 高値:2246.60 安値:2229.12
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1109.55 前日比:5.37
始値:1104.57 高値:1110.88 安値:1103.92
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.869% 米10年国債:2.795%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9290 (+110) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9250 (+70) 大証終値比
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