3日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に4日続伸し、前日比127ドル83セント(1.2%)高の1万0447ドル93セントと8月10日以来の高値で終えた。米雇用統計が市場予想ほど悪化しなかったため米景気への過度な悲観論が後退し、金融やIT(情報技術)など業績が景気動向に左右されやすい銘柄を中心に買いが入った。ダウ平均を構成する全30銘柄が上昇し、ほぼ全面高となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸で、終値は同33.74ポイント(1.5%)高の2233.75と、やはり8月10日以来の高値だった。
米労働省が朝方発表した8月の雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月から5万4000人減ったが、減少幅は市場予想の半分程度だった。注目度の高い民間部門の雇用者数が予想以上に伸びたほか、6、7月分の雇用者数は上方修正された。
投資家の間では最近まで米景気が「二番底」に陥るとの警戒感が強く、投資資金を株式から、安全資産とされる国債に移す動きが活発だった。予想ほど悪くない雇用統計を受けてこうした持ち高の解消が進み、株価を押し上げた。住宅や小売株にも買いが広がり、ダウ平均は一時130ドル余り上昇した。
米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した8月の非製造業景況感指数が予想を下回ったことや、米市場が3連休を控えていることを背景に利益確定売りが出て、相場は伸び悩む場面もあったが、引けにかけて再び高値圏まで戻した。
ダウ平均は週間では297ドル(2.9%)高と4週間ぶりに上昇した。
業種別S&P500種株価指数は「金融」「IT」「消費循環」など全10業種が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約16億株(同)だった。
ダウ平均構成銘柄では金融のJPモルガン・チェース、ネットワーク機器のシスコシステムズ、建設機械のキャタピラーが上昇率上位。外食のマクドナルドや通信のAT&Tなどの上げ幅が相対的に小さかった。
金融株ではゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが4~5%前後の大幅高となった。前日夕に発表した四半期決算で損益が市場予想以上に改善したゲームソフト大手のテイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアが急伸した。
一方、四半期決算が増益だったものの売上高が予想に届かなかった食品のキャンベル・スープが安い。金先物相場の下落を嫌気し、ニューモント・マイニングなど金鉱山株の一角が下げた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10447.93 前日比:127.83
始値:10321.92 高値:10451.15 安値:10321.84
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2233.75 前日比:33.74
始値:2227.96 高値:2235.57 安値:2213.56
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1104.51 前日比:14.41
始値:1093.61 高値:1105.10 安値:1093.61
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.794% 米10年国債:2.713%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9185 (+85) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9180 (+80) 大証終値比
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