1日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、前日比254ドル75セント(2.5%)高の1万0269ドル47セントと8月19日以来約2週間ぶりの高値で終えた。上げ幅は7月7日以来の大きさだった。米製造業の景況感が改善したため、米景気への過度の警戒感が和らぎ、機械や金融など景気敏感株を中心に買いが入った。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、62.81ポイント(3.0%)高の2176.84で終えた。
午前に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した8月の製造業景況感指数は56.3と前月から上昇し、低下を見込んでいた市場予想(52.5程度)を上回った。事前の警戒感が強かったため、指標の改善は売り方の買い戻しを誘った。同日に発表された中国やオーストラリアの経済指標が好調との見方から、世界景気の鈍化懸念が後退し、相場を支えた。
月初に伴い新規投資を始める投資家が多く、資金が市場に流入しやすいことも相場上昇につながったようだ。
ダウ平均の上げ幅は260ドルを超える場面があった。ダウ構成銘柄は全30種が上昇。キャタピラーやゼネラル・エレクトリック(GE)が4%前後の大幅高となり、大手銀のバンク・オブ・アメリカは約6%高と買われた。
一方、朝方に民間雇用サービス会社が発表した8月の全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)が市場予想に反して前月比で減少した。3日に米労働省が発表する雇用統計への警戒感が意識される場面もあった。
業種別S&P500種株価指数は「一般産業」「金融」「エネルギー」など全10業種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億9000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億8000万株(同)だった。
携帯音楽プレーヤー「iPod」の新製品を発表したアップルが高い。8月の米新車販売台数が前年同月比で減少した米自動車大手フォード・モーターも3%近く上昇。トヨタの米預託証券(ADR)も上げた。投資ファンドなどによる買収観測が伝わったファストフード大手バーガー・キング・ホールディングスが急伸。朝方発表した四半期決算が増収増益だった食品大手HJハインツが小高い。
一方、アナリストが投資判断を引き下げた高級百貨店のサックスが下落した。四半期決算で赤字幅が拡大した書店大手ボーダーズ・グループが安い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10269.47 前日比:254.75
始値:10016.01 高値:10279.08 安値:10016.01
年初来高値:11258.01 年初来安値:9614.32
ナスダック総合指数
終値:2176.84 前日比:62.81
始値:2142.75 高値:2177.50 安値:2141.95
年初来高値:2535.28 年初来安値:2061.14
S&P総合500種指数
終値:1080.29 前日比:30.96
始値:1049.72 高値:1081.30 安値:1049.72
年初来高値:1219.80 年初来安値:1010.91
米30年国債:3.650% 米10年国債:2.581%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 9115 (+185) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 9115 (+185) 大証終値比
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