21日の米国株式相場は大幅反落。ダウ工業株30種平均は前日比231ドル77セント安の9033ドル66セント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同73.35ポイント安の1696.68で終えた。前日に急反発したため、利益確定売りが出やすかった。市場予想を下回る主要企業の決算や見通しが目立ったことも嫌気された。
前日にダウ平均が413ドル高と大きく上げたため、この日は利益確定や持ち高調整の売りが出やすかった。前日夕から通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)や建設機器大手のキャタピラー、化学大手デュポンなど主要企業が発表した決算や見通しが市場予想を下回り、業績懸念が強まったことも売りを誘った。引け後に決算を発表するアップルやヤフーなどにも売りが膨らみ、ナスダック指数を押し下げた。
日中にリーマン・ブラザーズの債券を対象としたクレジット・デフォルト・スワップ(
CDS)の清算は順調と報じられた。金融機関などの損失が膨らむ可能性が意識されたとして、市場心理を冷やす場面があった。一方、清算が終わったと伝わると安心感から小幅高に転じる場面もあった。ロンドン銀行間取引金利(
LIBOR)などの低下が続いているうえ、この日は米連邦準備理事会(FRB)がMMF(マネー・マーケット・ファンド)からコマーシャルペーパー(CP)を買い取る制度を導入すると発表。信用収縮が少しづつ改善の方向に向かっているとの期待感は相場を下支えした。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億6000万株(速報)。ナスダック市場は約21億6000万株(同)。業種別S&P500種株価指数では、「素材」や「情報技術(IT)」を筆頭に全十業種が下落した。
前日夕、7−9月期決算が赤字に転じるとの見通しを示したサン・マイクロシスムズが17%超下落。業績見通しが市場予想を下回ったテキサス・インスツルメンツ(TI)も大幅安。朝方発表した決算で、見通しを引き下げたデュポンは約8%下げた。見通しが予想を下回ったキャタピラーも安い。ゴールドマン・サックスが「売り推奨リスト」に加えたシティグループにも売りが優勢だった。
決算で一株利益が市場予想を上回った化学大手スリーエムが上昇。前日夕の決算で一株利益が予想を上回ったクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)は大幅高。決算で一株利益は市場予想を上回ったが、製薬大手ファイザーは横ばいだった。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9033.66 前日比:-231.77
始値:9262.80 高値:9284.55 安値:9004.27
年初来高値:13279.54 年初来安値:7882.51
ナスダック総合指数
終値:1696.68 前日比:-73.35
始値:1741.79 高値:1768.54 安値:1695.12
年初来高値:2661.50 年初来安値:1542.45
S&P総合500種指数
終値:955.05 前日比:-30.35
始値:980.40 高値:985.44 安値:952.47
年初来高値:1471.77 年初来安値:839.80
米30年国債 4.216% 米10年国債 3.739%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(21日)
DEC08
O 9370(Globex 合算)
H 9415
L 8880
C 9005 大証比-235(イブニング比-95)
Vol 20252
PR