7月31日の米国株式相場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸。前日比17ドル15セント高の9171ドル61セントと昨年11月4日以来の高値で終えた。4−6月期の米実質国内総生産(GDP)が前期から大幅に改善したことをきっかけに、買いが優勢となった。ダウ平均の7月の上昇率は8.6%と、2002 年10月以来の大きさだった。
一方、ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は小反落。同5.80ポイント安の1978.50で終えた。
4−6月期のGDPは前期比年率1.0%減となり、1−3月期(6.4%減)から大幅に改善し、減少幅は市場予想(1.5%減)よりも小幅だった。米景気が最悪期を脱したとの受け止めから、買い安心感が広がった。ただ、個人消費が2期ぶりにマイナスに転じたことや、1−3月期のGDPが大幅に下方修正されたことなどから、一部で景気先行きへの警戒感も意識され、上値は重かった。
7月のシカゴ購買部協会景気指数が前月から改善したことも買いを誘ったとの声が聞かれた。4−6月期決算は市場予想を上回る業績を発表する企業が相次いでいるが、好材料に対する株価の織り込みは相当進んだとの見方も出始めている。ただ、投資家の買い意欲が途切れないため、売りが出にくい地合いが続いたとの指摘があった。
S&P500種株価指数は0.73ポイント高の987.48と、昨年11月4日以来の高値で終えた。業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「素材」や「金融」、「エネルギー」など5業種が上げた。半面、「公益」や「通信サービス」などが下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約15億8800万株(速報値)、ナスダック市場は約21億5000万株(同)。
原油などの商品相場の上昇を背景に、アルコアやスリーエムなど素材株が買われた。建設機械大手キャタピラーも高い。米銀大手バンク・オブ・アメリカや保険大手トラベラーズが堅調。朝方発表の四半期決算は大幅な減益となったものの、2009年の生産見通しを引き上げたと伝わった石油大手シェブロンが2%超高。
半面、前日発表の四半期決算で売上高が予想を下回った映画・娯楽大手ウォルト・ディズニーが4%下落。日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やジョンソン・エンド・ジョンソンが売られた。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:9171.61 前日比:17.15
始値:9154.61 高値:9218.77 安値:9133.45
年初来高値:9246.43 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:1978.50 前日比:‐5.80
始値:1980.72 高値:1995.05 安値:1977.65
年初来高値:2009.81 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:987.48 前日比:0.73
始値:986.80 高値:993.18 安値:982.85
年初来高値:996.68 年初来安値:666.79
米30年国債 4.305% 米10年国債 3.485%
シカゴ日経平均先物9月限(ドル建て)終値 10355 (‐15) 大証終値比
シカゴ日経平均先物9月限(円建て) 終値 10315 (‐55) 大証終値比
PR