8日の米国株式相場は反発。ダウ工業株30種平均は前日比164ドル80セント高の8574ドル65セントと、1月9日以来の高値で終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同22.76ポイント高の1739.00だった。前日夕に公表された金融機関の財務健全性を審査する資産査定(ストレステスト)の結果が安心感につながったといい、金融株が上げた。
S&P500種株価指数は929.23と1月6日に付けた年初来高値に近づいた。資産査定では19社のうち10社が資本不足に陥る可能性があると指摘され、不足額の合計は746億ドル。バンク・オブ・アメリカは339億ドルの資本増強が必要とされた。事前に伝わっていた内容と一致する部分も多く、米金融健全化に向け前進したとの見方が聞かれた。
増資や優先株の普通株転換、資産や部門売却で資本調達すると発表したバンカメが5%高。発行済み優先株の普通株転換の規模を従来から積みますと発表したシティグループも高い。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は引き下げ方向で見直すとしていたシティやバンカメの格付けを据え置くと発表した。
普通株による資金調達の実施を発表したウェルズ・ファーゴとモルガン・スタンレーも堅調。資本増強が不必要と判定されたJPモルガン・チェースは10%前後上げた。地銀大手のフィフス・サード・バンコープは11億ドルの資本不足を指摘されたものの、59%高と急騰した。
朝方発表された4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比53万9000人減と、減少幅が市場予想(61万人)を下回った。失業率は8.9%に上昇したが、引き続き米景気が底入れに向かっていることを示す内容との受け止めがあった。大型ハイテク株への利益確定売りや、石油株への資金移動などで、ナスダック指数は上値が重くなる場面があった。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約18億9000万株(速報)。ナスダック市場は約30億5000万株(同)。業種別S&P500種株価指数(全十業種)では、「金融」と「エネルギー」など八業種が上昇した。
4月の既存店売上高が好調だったマクドナルドが上昇。半面、前年同期比で赤字幅が大きく拡大した連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)が下落。決算と併せて、2010年3月期の連結最終損益(米国会計基準)赤字の見通しを明らかにしたトヨタの米預託証券(ADR)も安い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:8574.65 前日比:164.80
始値:8410.73 高値:8587.55 安値:8410.73
年初来高値:9088.06 年初来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:1739.00 前日比:22.76
始値:1733.50 高値:1747.41 安値:1711.01
年初来高値:1773.13 年初来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:929.23 前日比:21.84
始値:909.03 高値:930.17 安値:909.03
年初来高値:943.85 年初来安値:666.79
米30年国債 4.268% 米10年国債 3.286%
「シカゴ日経平均先物(CME)」(8日)
JUN09
O 9500(ドル建て)
H 9580
L 9470
C 9540 大証比+80(イブニング比+70)
Vol 10006
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