17日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比47ドル69セント高い1万0733ドル67セントと2008年10月1日以来1年5カ月ぶりの高値で終えた。2月の米卸売物価指数が5カ月ぶりに下落し、景気回復下でもインフレ圧力が強まっていないことが好感された。米連邦準備理事会(FRB)が前日に超低金利政策を維持する姿勢を示したことも、引き続き相場の支えになった。
ダウ平均が7日続伸するのは09年8月18〜27日(8日続伸)以来、7カ月ぶり。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。終値は11.08ポイント高の2389.09で、 08年8月以来ほぼ1年半ぶりの高値を連日で更新した。
米卸売物価指数は前月比0.6%下落し、市場予想以上の下落率になった。FRBが前日に金融緩和で景気を支える姿勢を改めて示したこともあって、インフレ圧力の乏しさが金融緩和の長期化につながるとの見方が広がった。原油先物など商品先物相場が上昇し、エネルギー株や資源株が買われたことも相場を押し上げた。
一方、高値警戒感も強く、取引終了にかけてダウ平均は上げ幅を縮小した。午後に入りバーナンキFRB議長とボルカー米経済再生諮問会議議長が銀行規制について議会で証言したが、相場の反応は目立たなかった。
業種別S&P500種指数は全10業種が上昇した。「エネルギー」と「金融」の上昇が目立った。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億2000 万株(速報値)、ナスダック市場は約21億7000万株(同)。
アナリストが投資判断を引き上げた資産運用大手のブラックロックが5%近く上昇。前日夕に公的資金返済に向けた資金調達で普通株などを発行すると発表した保険大手ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズが買われた。1〜3月期の収益見通しを上方修正した半導体のLSIも上昇した。
ダウ平均採用銘柄では非鉄大手アルコアが5%近く上昇したほか、化学大手デュポン、建機大手キャタピラーなど景気敏感株への買いが目立った。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)など銀行株にも買いが優勢だった。
一方、前日に米証券取引委員会(SEC)への提出資料で破産法の適用申請を余儀なくされる可能性に言及したDVDレンタル大手のブロックバスターが急落。ダウ採用銘柄ではIBMや航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ、製薬大手ファイザーの下げが目立った。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10733.67 前日比:47.69
始値:10686.36 高値:10767.98 安値:10686.36
年初来高値:10767.98 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2389.09 前日比:11.08
始値:2381.65 高値:2400.09 安値:2381.47
年初来高値:2400.09 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1166.21 前日比:6.75
始値:1159.94 高値:1169.84 安値:1159.94
年初来高値:1169.84 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.571% 米10年国債 3.642%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 10830 (+50) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10770 (‐10) 大証終値比
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