19日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は9営業日ぶりに反落し、前日比37ドル19セント安の1万0741ドル98セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、16.87ポイント安の2374.41で終えた。ドル高などを背景に商品先物相場が下げたため、素材株や石油株が軟調だった。インド準備銀行(中央銀行)が政策金利を引き上げると発表したことも売りを誘った。
インド準備銀行は19日、インフレ懸念から市中銀行への貸出金利で短期金利の指標となるレポ金利を引き上げると発表した。金融引き締めが中国などにも拡大するとの懸念が強まり、世界景気の伸びが鈍化すれば米景気回復の重荷になるとの見方から売りが出た。ダウ平均は1年5カ月ぶりの高値圏で推移しており、利益確定売りも出やすかった。
ダウ平均は買い先行後、一時80ドル超下落した。この日は株価指数先物・オプションの取引最終日で、値動きが大きくなりやすかったとの指摘があった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「素材」「エネルギー」など8業種が下落。「通信サービス」など2業種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約19億8000万株(速報値)、ナスダック市場は約28億3000万株(同)だった。
化学大手スリーエムが2%安と、ダウ平均の構成銘柄で下落率首位。米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)や石油大手エクソンモービルが安い。航空機市場が回復しているとして、一部航空機の生産を加速させる計画を発表した航空機大手ボーイングは買い先行後、下落に転じた。
前日夕の四半期決算説明会で示した売上高見通しが、市場予想を大幅に下回ったスマートフォン(多機能携帯電話)大手のパームは3割近く下落。19日にはアナリストによる投資判断や目標株価の引き下げが相次いだ。来週にも中国市場からの撤退を発表するとの思惑が一部で強まっているインターネット検索大手グーグルが安い。
一方、アナリストが投資判断を引き上げた家電量販店大手ベスト・バイが上昇。アナリストが利益見通しを引き上げた百貨店大手のコールズが高い。
ダウ工業株30種(ドル)
終値:10741.98 前日比:‐37.19
始値:10780.00 高値:10819.90 安値:10694.22
年初来高値:10819.90 昨年来安値:6469.95
ナスダック総合指数
終値:2374.41 前日比:‐16.87
始値:2391.20 高値:2396.92 安値:2364.53
年初来高値:2400.09 昨年来安値:1265.52
S&P総合500種指数
終値:1159.90 前日比:‐5.93
始値:1166.68 高値:1169.20 安値:1155.33
年初来高値:1169.84 昨年来安値:666.79
米30年国債 4.583% 米10年国債 3.697%
シカゴ日経平均先物6月限(ドル建て)終値 10750 (±0) 大証終値比
シカゴ日経平均先物6月限(円建て) 終値 10705 (‐45) 大証終値比
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